中学受験に向けた指導には大きく2つのタイプがあります。 それぞれについて書いていきます。

中学受験指導(塾のフォロー)

中学受験を考える場合,大手塾に入れるというのが選択肢の一つになります。 そして,大手塾に通いながら,そのフォローを私にしてほしいという依頼をよく受けます。 そのようなご依頼ももちろん大歓迎です。

実は同じ大手塾の講師だからといって,すべての講師が同じ解法で解き方を説明しているわけではありません。 小学生の場合,別の解法で教えられると混乱してしまうこともあります。

そのため,塾のフォローでの指導の際には,生徒の授業ノートなどを見ながら,塾の先生の指導方法に合わせて解説を行います。

また,集団塾に通っていると,基本的には一律に同じ宿題が出されます。 そうなると,塾の宿題の中には生徒の志望校のレベルを超越した問題が含まれることがよくあります。 そういった問題に無駄に時間をかけたり,それが解けないことがストレスになったりということを避けるだけでも, 宿題のフォローはかなり大きな意味を持ちます

中学受験指導(他塾に通わない場合)

中学受験をする場合「大手の塾に通った方が良いのかな?」と不安になることがあると思います。 実際,灘中学・洛南中学・神戸女学院中学部など,最難関校の受験を考えているのなら,大手の塾に通うことをおすすめします。 一方で,中堅校の中学受験を考えている場合,少なくとも授業の質という点で大手の塾に通うメリットはありません。

中学受験は専門性が高く,また市販のテキストも問題は充実しているものの,解説の質が良いものは多くありません。 そのため,中学や高校の数学の指導はできるが中学受験の算数の指導は断っているという家庭教師や塾講師も多いです。

私自身,中学受験の経験者ですが,大学1年の個別指導塾のアルバイトで,初めて算数を指導するとなったときは冷や汗をかきながら指導をしていました。 数学を使えば解けるけど,算数でどう解くのかわからなかったり,数学を使ったとしても解き方が分からなかったためです。

それももう10年以上も前の話で,六甲学院中学,須磨学園中学などの難関校の生徒を合格に導いたり,大手塾に通っている生徒のフォローの中で様々な解法を身につけたりする中で,単純に中学受験に必要な解法を教えられるというだけでなく,生徒のレベルに合わせて指導方法や解法を変えることができるようになりました。

少し話が逸れましたが,市販のテキストは解説の質が悪いものの,中堅中学の受験であれば十分な量と質の問題があります。 解説は私がするので,テキストの解説の質は問題になりません。 また,受験校が決まれば受験校の過去問を分析し,出題傾向やレベルに合ったオリジナルプリントで対応をしていきます。 そのため,中堅校の受験を希望しているのであれば,大手塾に通わなくても安心して指導をお任せいただければと思います。

(おまけ1)難関大学に通う学生なら中学受験の指導はできる?

大半の大学生に中学受験の指導はできません。 私自身,大学受験時には数学の偏差値が70を超えていましたが,算数の問題で解けない問題や,数学では解けるけど算数でどう解説をしたらいいのかわからない問題がかなり多くありました。 数学と中学受験算数は全くの別物ですし,大学受験の理科と中学受験の理科も全くの別物です。 特に,つるかめ算も差集め算も公立の小学校では扱いません。他にも〇〇算と名のつく問題が多くありますが,ほとんどが公立の小学校では習いません。 そのため,中学受験を経験していない大学生なら,受験算数について0から勉強しなければなりません。

また,中学受験を経験していても,大半の生徒は中学生になるとやり方を忘れてしまいます。 実際,中学受験を経験した中学生や高校生に受験算数の問題を見せると,ほとんどどの問題が解けません。 さらに,中学受験の指導は十分な指導経験と教材研究を進めなければ良いものが提供できません。 それが学生の間にできるかというと疑問です。 学校の授業のフォローくらいなら学生家庭教師でも問題ないでしょうが,中学受験を考えているのなら避けたほうが良いでしょう。

(おまけ2)大学生が教える個別指導塾は避けたほうが良い

大学生のときに個別指導塾で指導をしていて衝撃を受けた出来事が2つあります。

1つ目は 卒業研究が忙しくなったため,小4から教えていた生徒の指導を小6の10月に辞めた先生がいた ことです。10月からの指導を,当時大学1年生で,指導経験が半年にも満たない私が担当しました。 その後,その生徒は志望校に合格することができましたが,入試直前に全く知らない先生に担当が変わるというのは保護者も生徒もものすごく不安だったと思います。 高3を指導していて,海外留学のために9月に辞めた大学生もいました。 その大学生は4月に辞めると塾長に伝えていたのに,先生が足りないということで仕方なく9月まで指導していたという形になります。

2つ目は 算数ができない大学生が算数の指導をさせられた ことです。 その大学生は算数が苦手で,「算数は指導できない」と塾長に伝えていました。 しかし,夏休みに人手が足りず,無理やり算数の指導をさせられました。 授業後に話を聞くと「生徒が分からないって言った問題が,解説を読んでも分からないから『先生も分からんから一緒に考えよう!』って伝えて一緒に考えたんですけど,結局分からないまま終わりました。」 とのことでした。 それだけでも衝撃でしたが,後日,その先生が引き続き算数の指導をしていたので,さらに驚きました。 毎時間,授業中に分からない問題が出てきて他の先生に質問をし,教えてもらった内容を生徒に教えるという感じでした。

大学生が教える個別指導塾は避けたほうが良い と思います。

また,中学受験を経験していても,大半の生徒は中学生になるとやり方を忘れてしまいます。 実際,中学受験を経験した中学生や高校生に受験算数の問題を見せると,ほとんどどの問題が解けません。 さらに,中学受験の指導は十分な指導経験と教材研究を進めなければ良いものが提供できません。 それが学生の間にできるかというと疑問です。 学校の授業のフォローくらいなら学生家庭教師でも問題ないでしょうが,中学受験を考えているのなら避けたほうが良いでしょう。

(おまけ3)大手塾と中堅校の合格実績

大手塾のホームページに合格実績として○○中 ▲名と大きく書かれている学校が,その塾が力を入れている中学になります。 とはいえ,中堅校志望のニーズというのもかなりあり,企業としては生徒数が大いに越したことはないので,後半に少し小さめの字で中堅校の合格人数も書かれています。

しかし,「興味のある中堅校の合格人数が多い」=「その学校の対策が十分にできる・対策を十分にしてくれる」とは限りません。 というのも,合格者の中には滑り止めとして受けて合格した生徒も含まれるためです。 例えば,興味のある中学への合格者が10人いたとして,そのうち何人がその学校を第1志望にしていたのでしょう?また,その学校を第1志望にしていた生徒の何%が合格できたのでしょう? 生徒数が多ければ,合格人数が多くなるのは当然です。 塾が公開している合格者数を全部足してみてください。1000名を超える塾もあります。そのうち,あなたが興味を持った学校に合格した生徒は何人いますか?合格者が50人いても5%以下です。第1志望で合格した人はもっと少ないでしょう。そんなに少ない人数の実績を小さく下の方に書くために,大手塾が一生懸命になるでしょうか?

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